「経理担当者が一人しかおらず、休職や退職が心配」
「経理担当者を採用したいが、なかなか人が集まらない」
「記帳だけでなく、請求書発行や入金管理まで外注したい」
こうした課題を抱える中小企業にとって、選択肢のひとつとなるのが「経理代行」です。
経理代行を利用すれば、記帳だけでなく、請求書発行、入金管理、給与計算など、日常的な経理業務を幅広く外部へ委託できます。
一方で、気になるのが費用です。
経理代行は依頼する業務によって料金が大きく変わるため、「月額○万円が相場」と一律に判断するのは難しいサービスでもあります。
そこでこの記事では、
- 経理代行と記帳代行の違い
- 業務別の費用相場
- 料金が高くなる要因
- 大阪の中小企業が経理代行を利用する際の考え方
- 経理代行のメリット・デメリット
- 経理代行が向いている企業
- 委託先を選ぶポイント
について分かりやすく解説します。
経理業務を外注すべきか迷っている方は、自社の費用を考える際の参考にしてください。
目次
- 経理代行とは?
- 経理代行と記帳代行の違い
- 経理代行の費用相場
- 経理代行の料金が変わる5つの要因
- 大阪の中小企業が経理代行を利用する場合の費用
- 経理代行を利用するメリット
- 経理代行のデメリット・注意点
- 経理代行が向いている企業・向いていない企業
- 経理代行会社を選ぶポイント
- まとめ
経理代行とは?
経理代行とは、企業が社内で行っている経理業務の一部または全部を外部へ委託するサービスです。
サービスによって異なりますが、主に次のような業務を依頼できます。
- 仕訳入力・帳簿作成
- 請求書発行
- 入金確認・消込
- 売掛金・買掛金管理
- 経費精算
- 支払予定の管理
- 給与計算
- 月次資料の作成
- 資金繰り表作成のサポート
- 税理士へ渡す資料の整理
- 税理士との情報共有のサポート
ポイントは、単純なデータ入力だけではなく、日常的な経理業務を幅広く外部へ任せられることです。
ただし、すべての経理代行会社が上記の業務すべてに対応しているわけではありません。
また、税務代理、税務書類の作成、税務相談などは税理士業務に該当します。
一般の経理代行会社へ依頼する場合は、「経理代行会社が担当する業務」と「税理士に依頼する業務」を分けて考えることが重要です。
経理代行と記帳代行の違い
経理代行とよく混同されるサービスが「記帳代行」です。
記帳代行は、領収書や請求書、通帳などの資料をもとに仕訳を行い、会計ソフトへの入力や帳簿作成などを代行するサービスです。
一方、経理代行は記帳に加えて、請求書発行や入金管理など、より幅広い経理業務を対象とします。
| 項目 | 記帳代行 | 経理代行 |
| 主な業務 | 仕訳入力・帳簿作成 | 記帳、請求、入金管理、支払管理など |
| 業務範囲 | 比較的限定的 | 比較的広い |
| 料金の決まり方 | 仕訳数など | 業務内容・作業時間・件数など |
| 向いている企業 | 記帳作業だけを減らしたい | 経理業務を幅広く外注したい |
つまり、
記帳だけを任せたい → 記帳代行
請求・入金管理なども含めて任せたい → 経理代行と考えると分かりやすいでしょう。
すでに記帳を外注している会社でも、「請求書発行も任せたい」「入金確認まで外に出したい」となった場合は、経理代行へ委託範囲を広げることを検討できます。
経理代行の費用相場
経理代行の料金は、依頼する業務によって大きく異なります。そのため、経理代行全体をひとつの金額で比較するのではなく、どの業務をどこまで依頼するのかに分けて考えることが重要です。
記帳代行の費用相場
弥生株式会社が2026年1月に更新した解説では、記帳代行業者へ依頼する場合、月間100〜250仕訳程度で月額6,000〜20,000円程度が目安とされています。
時間制の場合は、1時間あたり2,000〜3,000円程度が目安です。
一方、税理士事務所へ記帳を依頼する場合は、一般的に顧問契約を前提とし、記帳代行を含む顧問料として法人で月額4万円程度から、個人事業主で月額3万円程度からが目安とされています。
ただし、「記帳代行業者の料金」と「税理士事務所の顧問料」では含まれるサービスが異なるため、金額だけを単純比較しないことが重要です。
給与計算代行の費用相場
経理代行とあわせて給与計算を依頼するケースもあります。
弥生株式会社によると、給与計算代行は従業員10〜50人程度で月額4〜6万円が一般的な目安とされています。
別の料金体系として、基本料金に加えて従業員1人あたり月額1,000〜2,000円程度を設定するケースもあります。
給与計算は、従業員数や勤怠データの状態、賞与計算の有無などによって料金が変わります。
決算・申告を依頼する場合
決算・申告については、経理代行とは分けて考える必要があります。
弥生株式会社の経理アウトソーシングに関する解説では、決算・申告の費用は5〜25万円程度がひとつの目安とされています。
ただし、会社規模や売上、取引量、記帳の状態などによって金額は大きく異なります。
また、税務代理、税務書類の作成、税務相談は税理士業務です。経理代行会社に税理士が在籍していない場合などは、決算・申告について別途税理士への依頼が必要になることがあります。
経理代行全体の費用は「業務の組み合わせ」で決まる
経理代行では、
- 記帳
- 請求書発行
- 入金確認
- 支払管理
- 給与計算
- 月次資料作成
などを組み合わせて依頼するため、月額料金には大きな幅があります。
したがって、「経理代行は月○万円」と一律に考えるより、「自社が外注したい業務を処理するために、毎月どれくらいの作業量が発生するか」を確認する方が、実際の費用を把握しやすくなります。
経理代行の料金が変わる5つの要因
同じ経理代行でも、会社によって見積金額が違うのには理由があります。
1.仕訳数・取引件数
記帳業務では、仕訳数が料金を決める代表的な要素です。
月100件の会社と月1,000件の会社では必要な作業量が異なるため、一般的には取引件数が多いほど料金も上がります。
特に小売業、飲食業、ECなど、日々の取引件数が多い業種では確認しておきたいポイントです。
2.依頼する業務範囲
記帳だけを依頼する場合と、請求書発行、入金管理、支払管理、給与計算まで依頼する場合では必要な作業時間が異なります。
見積もりを比較するときは、「経理代行」というサービス名だけで比較せず、含まれている業務を確認しましょう。
3.従業員数
給与計算などを依頼する場合は、従業員数も料金に影響します。
従業員が増えれば、給与計算や勤怠確認などの処理件数も増えるためです。
4.資料の整理状況
領収書や請求書などの資料が整理されているかどうかでも、作業量が変わります。
会計ソフトやクラウドストレージなどを利用してデータが整理されている会社と、紙の領収書やExcel、メールなどに情報が分散している会社では、同じ取引件数でも必要な作業時間が異なります。
資料を整理した状態で渡せるようにすると、外注後の業務も進めやすくなります。
5.対応頻度・スピード
月1回まとめて処理する場合と、毎週または毎日対応する場合でも必要な体制が変わります。また、
「請求書は毎月○日までに発行したい」
「月次の数字を翌月○日までに確認したい」
といった期限がある場合は、見積もりの段階で伝えておきましょう。
大阪の中小企業が経理代行を利用する場合の費用
大阪で経理代行を検討する場合も、基本的な料金の考え方は同じです。「大阪だから一律に安い・高い」というより、取引件数、従業員数、依頼業務、作業時間などによって費用が決まります。
トータルサポートBPOでは、月10時間50,000円(税込55,000円)から経理代行に対応しています。
たとえば、経理業務を洗い出した結果、
- 記帳:月3時間
- 請求書発行:月2時間
- 入金確認:月2時間
- 経費精算:月2時間
- 月次資料の整理:月1時間
という会社であれば、合計で月10時間程度になります。
※上記は業務時間を考えるための例であり、実際の作業時間を保証するものではありません。
このように、料金を考える際は、まず現在の経理担当者がそれぞれの業務に何時間使っているのかを確認すると分かりやすくなります。
経理代行を利用するメリット
1.経理担当者への依存を減らせる
中小企業では、限られた人数で経理を担当しているケースがあります。
ミロク情報サービスが2024年に実施した調査では、経理担当者の仕事上の悩みとして最も多かったのが「業務の属人化」で50.0%でした。
続いて「業務の煩雑さ」が43.1%、「業務量の多さ」が32.0%となっています。
経理業務を整理したうえで外部へ委託することは、特定の担当者しか業務内容を把握していない状態を見直すきっかけになります。
2.採用以外の方法で経理体制を補える
経理業務が増えたからといって、必ずしも社員一人分の業務量があるとは限りません。
「月10時間程度だけ人手が足りない」
「月末・月初だけ忙しい」
という会社もあります。
その場合、必要な業務だけ外部へ委託する方法も選択肢になります。
3.経営者や社員が本来の業務に集中しやすくなる
中小企業では、経営者自身が請求書発行や入金確認、記帳などを担当しているケースもあります。
定型的な経理業務を外部へ移すことで、営業、商品・サービス開発、採用、顧客対応など、優先度の高い業務に時間を使いやすくなります。
4.業務を標準化するきっかけになる
外部へ業務を引き継ぐためには、
「いつ」
「誰が」
「何を確認して」
「どのように処理するのか」
を整理する必要があります。
その過程で、担当者の経験だけに頼っていた業務をマニュアル化・標準化できる場合があります。
経理代行のデメリット・注意点
経理代行にはメリットがある一方、導入前に確認しておきたい点もあります。
1.導入時に引き継ぎが必要
外注を始める際は、現在の業務フロー、過去データ、取引先情報、使用している会計ソフトなどを委託先へ共有する必要があります。
特に属人化が進んでいる会社では、「担当者しか分からないルール」が多く、導入時の整理に時間がかかる可能性があります。
2.社内にノウハウが蓄積しにくくなる可能性がある
経理業務をすべて外部へ任せると、社内で実務を理解する人が減る可能性があります。
そのため、
外部へ任せる定型業務
社内に残す判断・承認業務
を分けておくことが重要です。
3.急な依頼に対応できない場合がある
外部委託では、社内担当者と同じように即時対応できるとは限りません。
契約前に、
- 通常の対応時間
- 緊急時の連絡方法
- 月末・決算期の対応
- 担当者不在時のバックアップ体制
などを確認しておきましょう。
4.機密情報を外部と共有する必要がある
経理では、銀行口座、取引先、請求・支払情報など重要な情報を扱います。そのため、料金だけでなく、アクセス権限の管理方法、秘密保持、データの保管方法なども確認する必要があります。
経理代行が向いている企業・向いていない企業
経理代行が向いている企業
次のような会社は、経理代行を検討しやすいでしょう。
- 経理担当者が少なく、休職・退職時のリスクが大きい
- 経理担当者の採用に苦戦している
- 経営者自身が経理業務を行っている
- 記帳だけでなく請求・入金管理なども任せたい
- 経理業務が特定の担当者に属人化している
- 月末・月初だけ人手が不足する
- 経理業務を整理・標準化したい
記帳代行だけでも対応できる可能性がある企業
一方、
- 社内に経理担当者がいる
- 請求・支払・入金管理は社内で問題なく処理できている
- 仕訳入力だけが負担になっている
という場合は、幅広い経理代行ではなく、記帳代行だけを利用した方が適している可能性があります。重要なのは、最初から「経理代行を使う」と決めるのではなく、現在の経理業務のどこに負担が集中しているのかを把握することです。
経理代行会社を選ぶポイント
経理代行会社を比較する際は、月額料金だけで判断しないことが重要です。
対応できる業務範囲
まず、自社が外注したい業務に対応しているか確認します。記帳には対応していても、請求書発行や給与計算には対応していないサービスもあります。
料金に含まれる業務
「月額○万円」と表示されていても、含まれる業務はサービスごとに異なります。追加料金が発生する条件についても確認しましょう。
担当者不在時のバックアップ体制
属人化対策として外注するのであれば、委託先でも特定の担当者一人に依存しない体制になっているか確認することが重要です。
セキュリティ体制
経理では重要な会社情報を共有するため、データ管理やアクセス権限について確認しましょう。
税理士との連携体制
記帳や請求管理などの経理業務と、税務業務は別物です。決算・申告や税務相談まで必要な場合は、税理士との役割分担や連携方法についても確認しておきましょう。
まとめ|経理代行の費用は「何をどこまで任せるか」で決まる
経理代行は、記帳だけでなく、請求書発行、入金管理、支払管理、給与計算など、幅広い経理業務を外部へ委託できるサービスです。
一方、記帳代行は、主に仕訳入力や帳簿作成を外注するサービスです。
費用については、記帳代行業者の場合、月100〜250仕訳程度で月額6,000〜20,000円程度がひとつの目安です。
ただし、請求書発行や入金管理、給与計算などまで依頼する経理代行では、業務範囲によって必要な作業量が大きく変わります。
そのため、経理代行会社を探す前に、まずは、
「誰が、どの経理業務に、毎月何時間使っているのか」
を整理してみてください。
そのうえで、
社内に残す業務
経理代行へ任せる業務
税理士へ依頼する業務
に分けると、自社に必要なサービスと費用を比較しやすくなります。
トータルサポートBPOでは、月10時間50,000円(税込55,000円)から経理代行に対応しています。
「経理担当者が退職する予定で困っている」
「記帳だけ任せるべきか、経理全体を任せるべきか分からない」
「自社の場合、月何時間程度のプランが必要なのか知りたい」
といった段階でも、まずは現在の経理業務を整理するところからご相談ください。
小さく始めて評価しながら進めたい方へ。経理・バックオフィス業務の一部委託は月10時間プラン50,000円(税込55,000円)〜安心してスタートできます。Webサイトはこちら
「何から外注すればいいのか分からない」「社員を採用するべきか、外注するべきか迷っている」
「自社の場合、月何時間くらい必要なのか知りたい」という段階でも、まずは現在のバックオフィス業務を整理するところからご相談ください。
参考文献・出典
- 弥生株式会社「記帳代行の料金相場は?代行先や費用、依頼時の注意点を解説」(2026年1月30日更新)
- 弥生株式会社「経理代行とは?サービス内容やメリット、依頼先の選び方を解説」(2026年1月30日更新)
- 弥生株式会社「経理アウトソーシングとは?メリット・デメリット、費用相場や失敗例を解説」
- 株式会社ミロク情報サービス「中小企業の経理担当者の働き方&実務の困りごと実態調査」(2024年6月実施、有効回答362名)
- 税理士法